令和6年能登半島地震における地震火災について(地震火災専門委員会)

2024/01/12

 2024年1月1日16時10分に能登半島北部で発生した地震は,多数の家屋倒壊や津波による被害を与えたが,この地震に伴って地震火災も複数発生している.このなかには,能登町白丸,珠洲市宝立町での火災など隣棟延焼にまで至った火災も確認されているが,なかでも震度6強を観測した輪島市の河井町朝市通り周辺で出火した火災は,およそ300棟が延焼した甚大な被害となった.

 近年に発生した大規模な市街地火災としては,2016年12月に発生した糸魚川市大規模火災が記憶に新しい.糸魚川市大規模火災は,木造住宅が密集した地域という地域特性と,新潟地方気象台が強風注意報を発表するほどの風速10 m/sを超えた強風という自然条件,そしてこれによる飛び火に伴う同時多発的な延焼拡大によって,焼失棟数147 棟,焼失面積約30,213 ㎡という甚大な被害となっている.しかしながら,輪島市の河井町朝市通り周辺での大規模延焼は,現時点で糸魚川市大規模火災をこえる焼失棟数となっている.

 日本火災学会地震火災専門委員会は,この火災について現地調査を行った.ここでは,その調査結果をはじめとして,現時点で得られる情報から,この火災に関する概要を速報する.

 なお,今後計画している現地調査の結果も踏まえ,2月15日(木)午前(予定)にオンラインで報告会を開催します。
(詳細は決まり次第、今後お知らせします。)
 
<能登半島地震に係る火災についての調査報告>
・日本火災学会地震火災専門委員会
調査報告速報資料 20240106_令和6年能登半島地震における地震火災について 

その他の研究機関でも調査が行われているところですが、現在までに下記の報告について、お知らせがありましたので、下記にリンクを示します。
・国土交通省国土技術政策総合研究所・国立研究開発法人建築研究所
 令和6年(2024年)能登半島地震による建物等の火災被害調査報告(速報)
 (リンク先:https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20240115.pdf
・京都大学防災研究所
 2024年能登半島地震に伴う地震火災・津波火災について(速報)
 (リンク先:https://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/contents/wp-content/uploads/2024/01/Nishino_20240122_Fire-following-earthquake-aspects-of-the-2024-Noto-Peninsula-earthquake.pdf

作成日:1月12日
更新日:1月24日