避難行動専門委員会

<活動概要>

 本委員会は,安全な避難計画の立案のための基礎データや検証方法の整備を目的として活動している。2023年度はオンラインを中心に5 回会合を持った。活動内容を以下に記す。


(1) 3 年間の活動を踏まえ「全館避難の再考~超高層・高層建築物からの避難戦略」と題して2024 年3 月20 日に森戸記念館・オンラインのハイブリッドで実施した。委員会の活動で集積した内容として,英国の全館避難ガイドライン,五反田マンション火災でのアンケート結果の報告を行うとともに,外部から講演者を招き近年の超高層・高層建築物における避難計画,誘導方法,訓練など幅広い内容について紹介し,聴衆から様々な意見が寄せられた。


(2) 英国のグレンフェル・タワー火災を受け,現地の防火技術者協会や全国消防長会等の団体が共同発行した全館一斉避難ガイダンスを翻訳し議論した。昨年からの継続作業として、翻訳の要約版の作成、英国の関係者へのヒアリングを見据えた質問事項の整理などを行った。関連して英国の法規等について情報交換を行った。


(3) 近年の火災事例として,五反田高層マンション火災について,住民向けに実施したアンケート結果について議論した。避難にエレベーターを使用している人が一定数いたり,それが避難誘導によるものであったりなど,マンション火災での避難方法,誘導方法を検討するのに示唆に富む知見が得られた。


(4) VR 技術を活用した避難行動の研究について,委員が実施した実験研究として、高層ビルにおけるエレベーター避難に関するアンケート実験と小規模高齢者福祉施設における行動実験について情報を共有し議論した。