2025年11月 佐賀関の大規模火災
2025年11月18日(火)17時半頃住宅火災が発生し、170棟以上に延焼して大規模火災となり、近くの山林にも燃え移りました。死者1名を含む人的被害、焼失面積は約48,900㎡の大きな被害になりました。この火災によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
火災による被害の全貌や火災原因などは今後明らかにされると思いますが、マスコミの報道から得られる情報によれば、当日は強風が吹いていたこと、空き家などが多い地域であるために炎上するまで火災に気づくのが遅れたこと、また、家屋が密集して延焼しやすい上、狭い路地へ消防車両の進入が難しい状況であったことなどの理由により、早期に延焼を止めることが困難であったため、被害が拡大したと考えられます。一方、高齢者が多く住んでいるこの地域では、ご近所が声掛け合い、延焼より早く避難できたため、人的被害の拡大は回避できた模様です。
高齢化が進み、人口流出の傾向のあるこのような木造密集住宅地は、日本中いたるところに存在しており、強風時には同じような大規模火災となる危険性があるといえます。このような火災による被害を防ぐためには、先ずは強風時には特に火災の発生を防止すること、火災の早期発見につとめることが基本です。住宅用火災警報機の設置を徹底するとともに、近隣住民にも火災の発生を知らせ、早い段階に消防に通報して、本格的な消火をできるようにすることが重要です。
これから一層寒い季節となり、火災の発生が増える時期を迎えます。火の元には十分に注意してお過ごし下さい。
2025年11月20日 地震火災専門委員会主査 北後明彦、会長 萩原一郎