2025年度日本火災学会定時総会の概要報告

2025/06/13

 本年度は2025年(令和7年)5月24日(土)12時45分より,定時総会を豊橋技術科学大学で開催しました。研究発表会期間中に同じ会場での対面開催は,2019年末の新型コロナウイルス感染拡大以降6年振りとりました。議案と資料は学会ホームページに掲載しておりますのでご参照ください。

1.開会宣言

 吉野総務担当理事から正会員数1,080名のうち,委任状提出者は535名,出席者は20名で合計555名となり,定款第17条第1項に定める正会員数の1/2の総会成立定足数540名を満たしていることが報告され,総会の開会宣言が行われました。なお,会場来場者は約50人いましたが,そのうち委任状提出者を差し引いた人数を出席者数としました。

 続いて,鶴田俊会長の挨拶後,会長が議長となり次の通り議案審議が行われました。

2.議事

2.1 議案第1号「2024年度収支決算承認の件」

 資料に基づき事業報告として吉野総務担当理事から研究発表会,火災科学セミナー,講演討論会の開催,学会誌・学術図書等の刊行状況,能登半島地震火災対応等の研究・調査実施状況に加え,新事務局長選任について説明されました。また,収支決算報告として村田会計担当理事から財政健全化に向けた主な経費削減事項と結果について説明されました。

 上記並びに関係帳簿等について監査した結果、江幡監事から適正に処理されていること及び各理事が適切に職務を遂行していることが報告されました。報告後に質疑を行い,投票の結果,承認されました。2.2 議案第2号「2025・2026年度役員候補者承認の件」

 資料に基づき2025・2026年度役員候補者の選挙結果について,吉野総務担当理事から理事20名、監事3名について適格と認定されたことが報告されました。報告後に質疑を行い,投票の結果,全員が承認されました。

2.3 議案第3号「名誉会員称号授与者の承認の件」

 資料に基づき吉野総務担当理事から大谷英雄君を長年にわたる理事,副会長,会長の経験から名誉会員に推薦することが報告されました。報告後に質疑を行い,投票の結果,承認されました。

2.4 議事録署名者の選出

 鶴田会長の他,出席者の中から万本敦君及び田中俊成君の2名が選出されました。

3.報告

3.1 2025年度事業計画,予算計画

 資料に基づき事業計画として吉野総務担当理事から研究交流,技術普及,意見交換のための活動を行うこと,会員数の減少に対応するために魅力ある情報発信に努めること,賛助会員の入会促進施策を講じることが報告されました。また,村田会計担当理事から経費削減実施予定・検討事項,並びに年間正味財産増減計画について報告されました。

3.2 学会賞選考委員会の報告

 萩原学会賞選考委員長から2025年度の日本火災学会賞に成瀬友宏君「建築防火材料・防耐火構造等の性能及びその評価方法に関する一連の研究」,内田奨励賞に松木大輝君「耐火電線用小型加熱炉の炉内温度特性の解明と国際整合化に関する研究」が選考されたことが報告されました。技術賞に崔光石君,長田裕生君,宮林善也君,鈴木輝夫君「新型静電気放電電荷量測定器」,竹市尚広君,新谷祐介君,北野信吾君,田邊大君「災害事象の統合VRシステム『maXim』」の2件が選考されたことが報告されました。また,業績賞に水野雅之君,佐野友紀君,門倉博之君,藤井皓介君「高層事務所ビルに順次避難計画を導入するための全館避難訓練の継続的調査」が選考されたことが報告されました。

3.3 日本火災学会新ホームページ移行の報告

 萩原情報担当理事から2024年6月より学会ホームページが新システムに移行したことが報告されました。また,事務作業の時間とコスト削減のため本年5月より新しい会員管理システムが導入されたことが報告されました。全ての会員はメールアドレスで管理されるため,改めてメールアドレスの登録が依頼されました。

4.閉会宣言  

 吉野総務担当理事から閉会が宣言されました。

5.総会を終えて

 久しぶりの対面総会に関して,質疑の時間が不十分だったとの感想や課題が挙げられました。総会は会員が意見を述べる貴重な機会であるため,対面での十分な時間確保が重要ですが,今回はそれが達成できませんでした。また、時間が取れない場合はオンライン総会の方が良いとの意見もありました。これらの指摘を踏まえ,次回の総会の開催方針を検討することになりました。