2026年7月 「後発地震注意情報」が発表されずとも備えは継続(火災への事前の備えを考える)
2026年4月20日16時52分に三陸沖で発生した地震をうけ、気象庁は同日午後7時30分に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表し、政府は4月27日の午後5時まで、「地震への備えの再確認」や「すぐに避難できる準備」を行いながら「社会経済活動を継続する」との特別な注意の呼びかけを行っていました。
4月27日の午後5時以降、この特別な注意を呼びかける期間が終了しても、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではなく、また、先発の地震がなく突発的に大規模地震が発生する可能性もあるので、地震発生に備えた安全確保や迅速な避難に向けた備えについて引き続き実施するように、関連自治体から呼びかけがなされてきました。
そうした中で、6月25日午前7時30分頃、岩手県沖を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生し、青森県では震度6強や6弱の激しい揺れを観測しました。この地震に関して今後の巨大地震の発生に注意を呼びかける「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の発表はありませんでしたが、気象庁は今後も規模の大きな地震への備えは続けてほしいと呼びかけています。
日本火災学会[達岩1] では、この4月に下記のような火災への事前の備えについて、皆様方に情報提供しましたが、こうした状況を踏まえ、火災への事前の備えが着実になされるよう、この情報提供を継続してまいります。
現在、全国各地で強い地震が発生している状況もあります。日本には上記の日本海溝・千島海溝沿いの領域での規模の大きな地震について「北海道・三陸沖後発地震注意情報」による特別な注意がなされる地域のほか、東海地域を含む南海トラフ沿いでの「南海トラフ地震臨時情報」による特別な注意がなされる地域、首都直下地震により影響を受ける地域、さらに、中部圏・近畿圏直下地震や日本海における大規模地震など様々な地震により影響を受ける地域があります。これらの地域においても、下記の火災への事前の備えは同様に取り組んでおくべきこととなります。
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わが国ではこれまでにも大きな地震が発生した際は、2次的に発生する地震火災による甚大な被害が記録されています。2011年の東日本大震災では、地震の強い揺れによって多数の火災が発生するとともに、巨大な津波の到達により、危険物施設等の破損・漏洩、津波瓦礫、建物や自動車の電気系統などを原因とする津波火災が複数発生し、避難していた人々へ津波火災の影響が生じる事態ともなりました。2024年の令和6年能登半島地震では、強い揺れにより18件の地震火災が発生するとともに、輪島市においては断水による消火栓の機能停止や道路被害などにより、消防活動が困難な状況下で大規模な市街地火災へと発展しました。
今後、もし大きな地震が発生した場合には、巨大な津波が到達したり、強い揺れによる火災が発生する可能性があり、その結果、東日本大震災時のような津波火災が発生したり、火災が延焼拡大して大規模市街地火災となることも危惧されます。
これらの被害を軽減するためには、建物の耐震化や家具固定などの対策と合わせて、地震による出火防止や迅速な火災の覚知による初期消火、そして安全な避難行動ができるように考えておくことが重要です。皆様方にはいまいちど個人や地域内、事業者内で以下の地震火災対策をご確認ください。
<出火防止への備え>
・感震ブレーカーの確認を今一度行う。可能であれば設置も検討する。
・可能であれば、不要な電気器具の使用を控え、コンセントのプラグを抜く。
・火気器具の転倒防止の確認や火気器具周辺の可燃物を除去する。
・燃料タンクやプロパンガスボンベの固定など危険物管理を徹底する。
<初期対応の備え>
・火災警報器の電池切れがないことを確認するなどして、迅速な火災の覚知による初期消火ができるようにする。
・消火器の場所を確認し、取り出しやすい場所に置く。また、初期消火体制をもう一度確認するなど個人や家族、
地域において地震が突発的に発生しても初期消火ができるようにする。
<避難対応等の確認>
・安全な避難場所や避難経路の確認をする。事業者などは避難誘導ルールの確認も行う。
・可能であれば、防災訓練の実施等を行う。
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2026年7月13日 日本火災学会地震火災専門委員会